2006年 03月 29日
メニエルの治療法全般と問題点
1/27の「いい方の耳はどうなるの?」で私の質問に回答くださいましためまい専門医さんから貴重なメールをいただきました。長くなるので今日はまずメニエルの治療法全般と問題点について、次回は開放術など手術の事を中心にしようと思います。
ちなみに、私の病院では3.鼓膜チューブ挿入術の次にステロイド投与があり、私がやったのはここまでです。次は鼓室内麻酔薬投与と説明されていました。当時はメニエットについては、知ってはいましたが、まだ4年前の私の病院では取り扱ってないという事でした。
偶然か私の病院とは段階的に治療を進めていくという点で近いものがありました。
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メニエール病の本体が内リンパ水腫であることは間違いないと思います。けれども内リンパ水腫が最初にあってメニエール病が起こるのか、あるいはメニエール病の結果内リンパ水腫ができるのか、そういうことに対してもまだ結論が出ていないのが現状です。現在までのメニエール病の治療方法に関して、これまで本当に多くの治療法(薬物療法、手術療法、すべてふくめて)が開発されてきましたがそのすべてが簡単にいうと、めまいについては70%くらいの患者でめまいが軽減する。聴力、耳鳴、に関しては明らかに改善する治療法はない。というのが現状です。すなわち、どのような治療でもめまいが制御されないひとは存在するし、聴力が改善するかどうかは治療を行なって見なければわからないというものです。このような大原則(ジレンマ)があるために治療する側も患者さんの側も混乱を起こすことになります。
 そこで、これは私の私見も一部に入りますがメニエール病の治療の原則としては一般的に次のような順序で治療を進めていくということになります。
1.生活習慣改善(ストレス対策、食事療法)
2.薬物療法
3.鼓膜チューブ挿入術
4.メニエット
5.内リンパ嚢手術
6.鼓室内ゲンタマイシン注入療法
7.前庭神経切断術
8.内耳破壊術
注:5と6は入れ替わることがある、めまいのリハビリはすべての段階で適応される。
単純に言えばこれらのすべての段階で約70%のひとがめまいが軽くなっていきますので結果として手術を必要とする人は10%以下ということになります。
もちろんこれはあくまで原則ですのですべては患者さんとの話し合いでということになります。加えて手術以外については治療期間が長くなります。私の場合には少なくとも1年間くらいはめまいが制御されるのに必要と思っています。
つぎに、どのような治療でも回転性めまい、いいかえれば本当のメニエール病の発作のめまいは比較的治りやすいのですがフラフラ感については非常に治りにくいことがあげられます。また、聴力に関しては本当に有効な治療法はないのが現状です。すなわち、短期間でみれば聴力が改善することは多いが10年、20年とみた場合次第に悪化していくことが多いことです。このようなことをどうにかして改善しようと医者側は努力を行なっています。
 また、医者の側からの問題点をいえば先に挙げた治療法のすべてに精通している医者の数が本当に少ないということがあげられます。
実際のところ、めまい平衡学会の専門医であってもこれらのすべての治療ができるとは限りません。そのあたりが問題になると思います。いずれにしても医者側の持っている情報が患者さんに殆ど伝わっていないことが大きな問題だと思います。例えば手術の成功率、結果などはいくらでも報告があります。重症度に関しても研究班でまとめています。また、患者さんのニーズに合わせた治療法の選択も大事だと思います。これらの点を改善していくことが必要だと思っています。
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by osha-p | 2006-03-29 22:22 | 病院・医者・参考図書


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